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「柿」をたくさん食べてはいけない人の特徴とは?薬剤師が解説

カテゴリー:院長スケジュール2024年11月25日(月)

果物が美味しい季節です。「おいしいからつい食べ過ぎちゃう」という患者さんとの会話で見つけた記事です。

「柿」をたくさん食べてはいけない人の特徴とは?薬剤師が解説

柿は栄養豊富な果物で、肌の健康維持や生活習慣病予防など、さまざまなメリットが期待できますが、以下のような特徴を持つ方は、とくに柿を食べるときに注意が必要です。
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーターの先生が解説していきます。

冷え症の人
冷え症の方は、柿を食べることでさらに体が冷えるおそれがあります。食べるときには柿を温めたり、服装や室温を暖かくしてから食べるようにしましょう。
とくに、手足が冷える末端冷え性の人は要注意。柿を食べることで手足の皮膚温度が下がると言われています。

お腹が弱い人
お腹が弱く普段から下痢をしやすい方は、柿に限らず食物繊維を多く含む食材には注意が必要です。食物繊維で胃腸に負担をかける恐れがあるので、お腹の調子が悪いときは食べるのを控えましょう。さらに、柿の体を冷やす効果によってお腹が冷えて痛むこともあります。腹巻や湯たんぽを使うとよいでしょう。

高血圧治療薬・貧血治療薬を飲んでいる人
タンニンには血圧を下げる効果があると言われています。既に高血圧治療薬を飲んでいる方の場合、血圧が下がりすぎる恐れがあるので、一度に大量の柿を食べないように注意しましょう。貧血治療薬の鉄剤は、タンニンと結合することで吸収が妨げられて、薬の効果が弱まることがあります。貧血治療薬を飲んでいる方も、同様に注意してください。

心配な方は医師や薬剤師に相談してみましょう。

安心して柿を食べる方法は「量」「タイミング」「食べ合わせ」
注意点があるとはいえ、柿は栄養価も高く、食べることによるメリットも多い食材です。

食べる量を守る
生柿も干し柿も、1日1個程度にしましょう。
また、他の食べ物にも注意すると安心です。たとえば柿を食べる日に食物繊維が豊富な食材を多く食べると、下痢や便秘を引き起こす可能性があります。

食後に食べる
柿に含まれるタンニンは、胃酸と反応して胃石になると言われています。胃石防止のためにも、柿を食べるときは空腹時は避けましょう。
タンニンが多い飲み物を控える
柿以外にもタンニンを多く含む食材はあります。柿を食べるときは、タンニンが多い飲み物を控えるようにしましょう。

柿の食べ過ぎ、どのぐらいからヤバイ?胃石や腹痛、下痢…1日何個までがセーフなのか

柿に豊富に含まれているビタミンCは、肌の健康を維持して肌老化を防いだり、生活習慣病の予防に効果があるとされています。

ビタミンCにより肌の健康を維持する
ビタミンCは、コラーゲンの生成に必要不可欠な栄養素です。
タンパク質の一種であるコラーゲンは、肌のハリや弾力を保つ真皮の約70%を構成しているため、コラーゲンの元となるビタミンCが不足すると、肌荒れを引き起こす可能性があります。コラーゲンは肌だけではなく、骨や軟骨、靭帯、角膜、血管といった組織も構成しているため、体の機能を正常に保つためにも必須の栄養素です。

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また、コラーゲンにかかわらず、ビタミンCが不足すると、貧血や筋肉量の減少、イライラの原因にもつながります。

柿1個で1日に必要なビタミンCを補うことができる

1日に必要なビタミンC摂取量は、成人男女ともに100mg。
柿1個(約200g)に含まれるビタミンCは140mgなので、ビタミンCを補給したいときには柿を1個食べれば十分でしょう。

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柿の栄養素2 β-カロテン
β-カロテンは天然色素の一種で、体内に取り込まれるとビタミンAに変換されます。

ビタミンAによる肌の健康維持、風邪予防など
ビタミンAは肌を正常に保つほか、粘膜の新陳代謝を高める働きをします。

風邪の予防に役立つだけではなく、のどの炎症や咳を抑える働きもするため、風邪のときに食べるといいでしょう。

柿2個だとちょうどよい

β-カロテンの推奨摂取量は以下の通り。

成人男性 1日600~650μg
成人女性 1日450~500μg

柿1個に含まれるβ-カロテンは320μgと、それほど多くはありません。
ただ、冷やして食べれば喉が痛いときにも食べやすいので、風邪のときはおすすめの果物のひとつです。

柿の栄養素3 カリウム
カリウムは必須ミネラルのひとつで、細胞の水分を維持したり、体内の余分なナトリウムを外に排出したりする働きをします。

カリウムによりむくみ解消、血圧改善
カリウムを摂ることで、過剰な塩分が原因のむくみや高血圧の改善が期待できるでしょう。

柿でカリウム不足を効率よく補う

カリウムの推奨摂取量は以下の通り。

成人男性 1日2,500mg
成人女性 1日2,000mg

一方、ひとつの柿に含まれるカリウムの含有量は、340mgとそれほど多くはありません。
ただし、カリウムは茹でたり煮たりすると水に溶ける性質を持っているため、生のまま食べられる柿はカリウムの摂取に適した食材だと言えるでしょう。

柿の栄養素4 食物繊維
柿には、多くの食物繊維が含まれています。

不溶性食物繊維 便のかさを増やして腸を刺激する働き
水溶性食物繊維 腸内をゆっくり移動するため、おなかを空きづらくして食べ過ぎを防ぐ働きをする

1個の柿には2.8gの不溶性食物繊維と、0.4gの水溶性食物繊維が含まれているため、便秘の解消に役立つでしょう。

食物繊維の推奨摂取量は以下の通り。

成人男性 1日21g
成人女性 1日18g

柿を食べることで約10%も摂取できますね。

食物繊維のメリットと、摂り過ぎ&不足のデメリット

柿の栄養素5 タンニン

タンニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用とアルコール分解作用を持つ栄養素です。

生活習慣病や老化の原因のひとつが「活性酸素」。柿を食べることによって、活性酸素の増加を抑えることができるでしょう。

二日酔い防止にも効果的

アルコール分解作用があるため、飲酒前に柿を食べることで二日酔い防止効果も期待できます。

タンニンの推奨摂取量は定められていませんが、摂り過ぎには注意が必要です。理由は後述するので、ぜひご覧くださいね。

次:柿を食べ過ぎると、どんなデメリットがある?

柿の食べ過ぎは「柿胃石」やお腹を壊すリスク大!

栄養価も高くおいしい柿ですが、食べ過ぎることで体に不調が現れることがあります。注意すべき症状と、その原因を解説します。
柿の食べ過ぎによる「柿胃石(かきいせき)」

大量のタンニンを一度に摂取すると、「胃石(いせき)」ができます。

胃石とは胃の内部に石のようなものが生じる症状で、胃痛や胃潰瘍、吐き気や食欲不振、腸閉塞の原因になります。

タンニン豊富な柿ゆえに「柿胃石」の原因に

タンニンが胃酸と混ざって変化し、食物の成分が加わることで胃石ができやすくなるようです。柿を食べ過ぎて胃石が生じる方が多いことから、「柿胃石」と呼ばれることもあります。

胃石が生じても、大半は便として排出されます。しかし胃石が大きくなると胃や腸の中で動かなくなり、場合によっては手術が必要になるでしょう。

柿に限らず、タンニンを豊富に含む食材を食べるときは注意が必要です。

柿の食べ過ぎによる「冷え症」

柿を食べることで、体が冷えると言われています。体が冷えるとお腹を壊したり、免疫力が低下したりといった不調が現れてきます。

お腹が冷えやすい方、産後の方、普段から冷え症や貧血気味の方は注意が必要です。柿を冷やして食べるとさらに体を冷やしてしまうので、常温や温めるのがおすすめです。
柿の食べ過ぎによる「下痢・便秘」

食物繊維は、腸内環境を改善する効果を持ちます。一方、過剰に摂り過ぎることで下痢や便秘を引き起こすことがあります。

水溶性食物繊維を過剰に摂ると、便が柔らかくなり過ぎて下痢になるおそれがあります。

また、不溶性食物繊維によってかさが増した便を排出できないと、便秘が悪化するおそれがあります。腸の働きが低下している方は、とくに注意しましょう。

食物繊維をたくさん摂れば便秘は解消される?

柿に多く含まれる不溶性食物繊維は、前述の通り便のかさを増す働きを持っています。そのため、摂り過ぎるとお腹の張りが気になる方もいるようです。
柿はどのぐらい食べていい? 1日の推奨摂取量

柿の食べ過ぎによる不調を避けるために、1日の推奨摂取量を確認しましょう。また、生柿だけではなく干し柿についても解説します。
生柿の推奨摂取量は1日1個

柿を食べる際は、1日1個を目安にしましょう。

柿は果物のなかでも糖質やカロリーが高く、1個あたり糖質30~40g、カロリーは120~150kcal含まれているので、食べ過ぎることで肥満になるリスクもあるでしょう。
干し柿の場合も1日1個

干し柿は小さいためたくさん食べがちですが、生の柿に比べて栄養が濃縮されています。1日あたり1個程度の摂取に留めておきましょう。

干し柿1個あたり(30g)に含まれる栄養素は、以下の通りです。

ビタミンC:1mg
β-カロテン:110μg
カリウム:200mg
食物繊維:4.2g
タンニン:1,500mg
糖質:21.2g
カロリー:82kcal

干し柿は量が少なくても豊富な栄養素を含みます。生の柿と同様に食べ過ぎには注意してくださいね。
柿をたくさん食べてはいけない人の特徴

以下のような特徴を持つ方は、とくに柿を食べるときに注意が必要です。自分に当てはまらないか、チェックしてくださいね。
冷え症の人

冷え症の方は、柿を食べることでさらに体が冷えるおそれがあります。食べるときには柿を温めたり、服装や室温を暖かくしてから食べるようにしましょう。

とくに、手足が冷える末端冷え性の人は要注意。柿を食べることで手足の皮膚温度が下がると言われています。
お腹が弱い人

お腹が弱く普段から下痢をしやすい方は、柿に限らず食物繊維を多く含む食材には注意が必要です。食物繊維で胃腸に負担をかける恐れがあるので、お腹の調子が悪いときは食べるのを控えましょう。

さらに、柿の体を冷やす効果によってお腹が冷えて痛むこともあります。腹巻や湯たんぽを使うとよいでしょう。
高血圧治療薬・貧血治療薬を飲んでいる人

前述の通り、タンニンには血圧を下げる効果があると言われています。

既に高血圧治療薬を飲んでいる方の場合、血圧が下がりすぎる恐れがあるので、一度に大量の柿を食べないように注意しましょう。

貧血治療薬の鉄剤は、タンニンと結合することで吸収が妨げられて、薬の効果が弱まることがあります。貧血治療薬を飲んでいる方も、同様に注意してください。

心配な方は医師や薬剤師に相談してみましょう。
安心して柿を食べる方法は「量」「タイミング」「食べ合わせ」

注意点があるとはいえ、柿は栄養価も高く、食べることによるメリットも多い食材です。安全に柿を食べるための方法を3つ紹介します。
食べる量を守る

生柿も干し柿も、食べるときは1日1個程度にしましょう。先述の通り、食べ過ぎると胃石や腹痛、肥満の原因になる恐れがあります。

また、他の食べ物との栄養バランスにも注意すると安心です。

たとえば柿を食べる日に食物繊維が豊富な食材を多く食べると、下痢や便秘を引き起こす可能性があります。
食後に食べる

柿に含まれるタンニンは、胃酸と反応して胃石になると言われています。胃石防止のためにも、柿を食べるときは空腹時ではなく、食後のデザートとして食べるようにしましょう。

ただし、二日酔い防止のためには飲酒前に食べるほうが効果的です。その場合も、空腹時ではなく少し何かを食べてから柿を食べるのがおすすめです。
タンニンが多い飲み物を控える

柿以外にもタンニンを多く含む食材はあります。柿を食べるときは、タンニンが多い飲み物を控えるようにしましょう。

緑茶、コーヒー、紅茶、赤ワインはとくにタンニンが多いと言われています。
柿は適量をおいしく食べることで効果が期待できる

食べ過ぎると不調が現れる原因となるものの、柿は栄養価も高くておいしい果物です。喉の炎症や咳を抑えるなど、柿が旬を迎える冬には嬉しい効果もあります。

食べる量に気をつけながら、柿を味わってくださいね。

○○過ぎは注意ですね 食べ過ぎ…食べなさ過ぎ…

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