院長ブログ

自律神経を研究し続けた医師がすすめる「心と体が整う7つの習慣」

カテゴリー:院長スケジュール2021年10月06日(水)

コロナ禍のストレス、天候のストレスなどなど気が休まる日がありません。身体も心も動きっぱなしです。それに疲れを感じている患者さんとの会話で見つけた記事です。

 

自律神経を研究し続けた医師がすすめる「心と体が整う7つの習慣」

疲れやストレスがたまりやすい昨今。日々の習慣を見直し、心と体のセルフケアをきちんと行なうことが大事です。

疲れやストレスがたまりやすい昨今。それには、「自律神経の乱れ」が関係しているかもしれません。日々の習慣を見直し、心と体のセルフケアをきちんと行なうことが大事です。

自律神経の乱れは、あらゆる不調の原因

新型コロナウイルスの流行によって、今まで当たり前にできていたことができなくなり、生活が大きく変わって、私たちはよりストレスフルな日々を送ることになりました。

そんな毎日の中で、「体がだるい」「やる気が起きない」「疲れが抜けない」など、「なんとなく不調」を感じている人も多いのではないでしょうか。

もしかしたら、それは「自律神経」が乱れているからかもしれません。 自律神経とは、簡単に説明すると、心臓や腸、胃といった内臓器官のすべて、とりわけ血管をコントロールしている神経です。呼吸も自律神経がコントロールしています。ですから、自律神経が人間の生命活動=ライフラインを支えていると言っても過言ではないのです。

これまで長年にわたり自律神経について研究してきましたが、自律神経のバランスが崩れると免疫力が下がって病気にかかりやすくなり、心と体にさまざまな不調をきたすことがわかりました。

自律神経は、夜更かしや朝寝坊といった不規則な生活はもちろんですが、不安や恐れ、怒りといったネガティブな感情を抱くことでも乱れます。 日々暮らしていれば、私たちは多かれ少なかれストレスを受けます。

このコロナ禍においては、不安や心配がつきないでしょう。問題は、そうしたストレスをためこみ、自律神経のバランスを崩して心身に不調をきたしてしまうこと。そうならないために、日々の過ごし方を少し見直し、自分にやさしい暮らしを心がけてみましょう。

「自律神経」を整えることが健康のカギ!
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2種類に大別されます。 車でたとえると、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキです。交感神経が優位に働いているときは、血管が収縮して血圧が上がり、アグレッシブな状態になります。

逆に副交感神経が優位に働いているときは、血管が弛緩(しかん)して血圧が下がり、リラックスした状態になります。 車を運転するとき、アクセルとブレーキの両方がうまく働いてこそ、安心してスムーズに運転できます。

人間の活動も同じです。もっとも心身の状態がよく、パフォーマンスが高まるのは、交感神経と副交感神経がともに高いレベルで働き、安定して機能しているとき。

交感神経と副交感神経の両方の働きが低い、もしくはどちらか一方だけが優位に働く状態が長く続くと、心身に不調をきたします。

ストレス社会で生きている私たちは、どちらかというと交感神経が優位になりがちです。若い頃は副交感神経の働きが高いため、ストレスを受けて自律神経が乱れたとしてもすぐにリカバリーできるのですが、男性は30歳、女性は40歳を過ぎると副交感神経の働きがガクンと落ち、10年ごとに約15パーセントずつ低下します。

放っておくと自律神経のバランスが乱れたままになってしまうので、自分で意識して整えることが必要なのです。

自律神経セルフチェック!

まずは、自分の今の自律神経の状態を確認してみましょう。当てはまるものにチェックを入れてください。

□疲れやすい
□やる気が出ない
□風邪をひきやすい
□むくみやすい
□頭痛がある
□すぐに気が散る、集中できない
□ちょっとしたことでイライラしやすい
□腰痛がある
□冷え性だ
□肩がこりやすい
□寝ても疲れがとれない
□肌や髪が乾燥している
□不安を感じることが多い
□思考力・決断力の衰えを感じる
□緊張しやすく、ストレスを受けやすい
□便秘気味、または下痢の症状がある

1つでも当てはまれば、自律神経が乱れている可能性があります。また、当てはまる数が多いほど自律神経の乱れが大きいと考えられます。
「自律神経」が整うおすすめの7つの習慣

生活の中にうまく取り入れ、自律神経の乱れをリカバリーしましょう。

●食事の前に1杯の水を飲む

食事中は交感神経の働きが高まるのですが、食事の前にコップ1杯の水を飲むと胃腸の神経が刺激されて副交感神経の働きが高まり、自律神経のバランスが整います。

特に副交感神経が優位な状態から交感神経が優位な状態へと切り替わる朝の時間帯、朝食前に飲むと、副交感神経の働きが急激に下がる=イライラするのを防げ、気持ちよく1日をスタートできます。朝起きたら軽くうがいをし、常温の水を飲むようにしましょう。

●「1:2の呼吸法」を取り入れる

副交感神経の働きを高めるのにおすすめなのが、「1」の割合で吸って、「2」の割合で吐く呼吸法です。鼻から3~4秒かけて息を吸い、口をすぼめて6~8秒かけて長くゆっくり口から息を吐きます。

1日1回、3分をめどに行ないましょう。緊張したりイライラしたりしたときに取り入れると、心がスッと落ち着きます。

●空を見上げる

心配なことがあったり、気持ちが落ち込んだりしたときは、空を見上げてみましょう。上を向くと気道がまっすぐになり、体内に入る酸素量が増えて血管が広がり、全身に酸素がいきわたります。

頭がすっきりして気持ちが落ち着き、自律神経のバランスも整います。自然の中でゆったりくつろぎながら空を見上げれば、さらにリフレッシュできるでしょう。

●1日1カ所片づける

片づけには、副交感神経の働きを高め、気持ちを落ち着ける作用があります。リビングのテーブルの上でも、本棚でもどこでもいいので、どこか1カ所片づけることを習慣にしてみましょう。

ただし、片づけがストレスになってはいけないので、決してがんばりすぎないこと。長くても30分以内にしましょう。「ちょこっと片づけ」を続けると、部屋も心も自然と整います。

●ゆっくり動く

やるべきことに追われ焦って行動すると、交感神経の働きが急激に高まり、自律神経が乱れます。

イライラしているときや、焦っているときほど、ゆっくり食べる、ゆっくり歩く、ゆっくり話すなど、「ゆっくり行動する」ことを心がけてみましょう。そうすることで、呼吸が深く安定して副交感神経の働きが高まり、冷静な行動、判断ができるようになります。

●ストレッチをして体をほぐす

座り仕事などで同じ姿勢で長時間過ごしていると、筋肉が収縮した状態が続いて血流が悪くなり、免疫力が下がってしまいます。

同じ姿勢の状態が1時間続いたら、首や腰を回したり、背中を伸ばしたりして軽いストレッチを行ないましょう。すきま時間に気分転換を兼ねて行なえば、上がりっぱなしになりやすい交感神経の働きを落ち着かせることができます。

●3行日記を書く

1日の終わりに、自分が今日感じたことを3行程度の短い日記に記しましょう。自分の中にためこんでいたストレスが吐き出されて心の中が整理でき、自律神経が整います。おすすめの「3行日記」の書き方をご紹介します。

(1)今日、一番失敗したことを書く
(2)今日、一番感動・感謝したことを書く
(3)ストレスの解消法、または明日の目標を書く

(3)を書き終えたら、最後に「いろいろあるけど、今日もありがとう」と、感謝の言葉で締めくくるのがポイントです。

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毎日、よく笑っていますか? 「笑顔でいると病気が治る」などと言われますが、笑顔でいると副交感神経の働きが高まり、リンパ球が活性化して、免疫力が上がることが実験で証明されています。

私も実際に、人がいろいろな表情をしたときの自律神経の状態を計測、比較する実験を行なったのですが、心からの笑顔はもちろん、作り笑いでも副交感神経の働きが高まることがわかりました。

ネガティブな感情に引きずられやすいときこそ、意識して笑うことが大事です。それだけで緊張が解け、副交感神経の働きが高まります。副交感神経の働きが高まれば、リラックスして心に余裕が生まれ、前向きな発想もできるようになります。ぜひ、大変なときほど鏡の前で、にっこり自分に笑いかけてみてください。

しんきゅう通信10月号

カテゴリー:院長スケジュール2021年09月29日(水)

しんきゅう通信 10月号 2021

しんきゅう通信10月号です

9月30日(木)~10月6日(水)まで

エレベーター入れ替えのためお休みさせていただいております

ご迷惑をおかけします

【精神科医が教える】怒りやモヤモヤを表に出せず、ため込んでしまいがちな人。その肩コリ、頭痛が危険なサインかもしれない訳

カテゴリー:院長スケジュール2021年09月24日(金)

コロナ禍のストレスは相当なものです。職場も家庭もストレスだらけの患者さんと話していた時に見つけた記事です。

【精神科医が教える】怒りやモヤモヤを表に出せず、ため込んでしまいがちな人。その肩コリ、頭痛が危険なサインかもしれない訳

職場や家庭、SNSなどで、その場の感情に任せて相手に怒りをぶつけてしまい、後悔したことはありませんか。発端はささいなことだったのに、ぶつけてしまった怒りが人間関係を傷つけ、その後、取り返しのつかない大事に発展することも少なくありません。
そんな失敗をしないために必要な、怒りをうまくコントロールして日々を平和に穏やかに過ごすコツを教えてくれるのは、精神科医の先生です。
● 「抑圧・うつ傾向の強いタイプ」の怒りの特徴とは?
精神医学的に分析した怒りに関する典型的な6つのタイプそれぞれについて、自分がどのタイプかが簡単にわかるチェックテストとともに、「どんな時に怒りがわきやすいかの特徴と傾向」「怒りのコントロール法と発散法」「相手がそのタイプだった場合の対処法」を解説しています。

ここではその6つのタイプの中から特に「抑圧・うつ傾向の強いタイプ」について、その典型的な特徴と怒りのコントロール法について説明します。

このタイプの特徴をひと言で表すなら、「ストレスをため込みやすいタイプ」というのが、もっとも的を射ているのではないでしょうか。

このタイプの人は、感情をあまり外に表さず、内にため込む傾向が強いのです。日々の仕事がつらくても、顔に出したり不満を言ったりせずに、内にため込む。職場や家庭、友人との人間関係でストレスを感じていても、相手や周りに気をつかい、波風を立てずに笑って受け流し、嫌な感情は自分の内にため込んでしまうのです。

もちろん、怒りの感情も表に出さず、内にため込みます。

周りの人は当人が怒っていることに気づかないこともめずらしくありません。なかには、周りがまったく気づかないうちに、日々じわじわと怒りを蓄積させているケースもあります。しかも、このタイプの人は、「根に持つ」ようなかたちで、長期間にわたって怒りを少しずつふくらませていることが少なくありません。
「1年前、わたしが助けを求めたのに全然助けてくれなかった……」
「あのとき、あの人は自分でやるべき仕事をわたしに押しつけた……」
「わたしが恥をかいたとき、あの人は冷たい目を向けて笑っていた……」
といったように、小さい恨みつらみをじわじわとため込んでいるわけです。

もうひとつ、このタイプの大きな特徴は、自罰傾向が強い点です。
仕事で失敗したり、人間関係でトラブルが発生したり、何かうまくいかないことがあると、そのたびに自分を責めてしまうのです。
すでに終わった出来事に対して、「ああすればよかった」「こうすればよかった」「なんて自分はダメなんだろう」といったように自分の行動を後悔したり否定したりすることもしばしば。しかも、そうした数々の後悔を、かなり過去にさかのぼってため込んでいる傾向があります。
このように、ストレスや不平不満、恨み、後悔、自責の念など、もやもやとした気持ちを処理しきれないまま長く抱え込んでいるのは、精神衛生上よくありません。こうしたもやもやとしたストレスをパンクしそうなほどにふくらませてしまうと、いずれ心や体が悲鳴を上げることになります。そのため、このタイプの人は心身の不調を訴えることがたいへん多いのです。

なかでも多いのは、うつ病です。
最初のうちは不眠、頭痛、肩こり、めまいなどの体調不良に悩まされ、やたらに気が重く落ち込むようになり、そのうちに不定愁訴がひどくなって、やがて会社にも行けなくなる……それで病院で診てもらったらうつ病と診断された、といった流れをたどるケースが目立ちます。

このように「抑圧・うつ傾向の強いタイプ」の人は、ストレスや不平不満、怒りなどを抱え込んで、心と体をボロボロに疲弊させていってしまうことが多いのです。
しかも、周りの人に相談をしたり助けを求めたりするのがヘタで、自分ひとりで問題を背負い込んでしまう傾向があります。周りが気づかないまま、自分の状況を悪化させていってしまうこともめずらしくありません。
このタイプは、昔から日本人に多いと言われています。まじめで責任感が強い人、感情をあまり表に出さない人、仕事を抱え込みがちな人、他人からの頼まれ事を断るのがヘタな人は、十分に注意をしたほうがいいでしょう。

● 怒りや不満をため込まないために
まず、このタイプの人には、もっと怒って自分を主張していくことをおすすめします。
仕事を押しつけられそうになったらちゃんと断ったほうがいいし、誰かにからかわれたり、嫌なことを言われたりしたら、ちゃんと言い返したほうがいい。
もちろん、相手があまりに無理な要求をしてくるようなときは、争うことを恐れずにちゃんと怒ったほうがいいでしょう。そうでないと、相手の都合のいいようにこき使われてしまいかねません。怒りをため込むことで、いずれは心身の不調をきたす一因となるのです。
このタイプはお人好しが多く、会社や上司などの要求を従順に聞いてしまいがちなので、ヘタをしたらボロボロにすり切れるまでこき使われてしまう危険性があります。良識ある企業ならまだしも、人使いの荒いブラック企業のようなところで働いていたら、心身が不調に陥るのも時間の問題ではないでしょうか。

同じようなことが、家庭や友人関係でも起こりえます。
そのような事態に陥らないためにも、自己防衛手段として、「断る」「怒る」「自己主張する」などのコミュニケーションスキルを意識して身につけておくべきなのです。
もし必要であれば、アサーション(よりよい人間関係を結ぶための自己主張)を学ぶのもいいと思います。アサーション・トレーニングに関しては、ネットや書籍で多くの情報が得られますし、気軽に受講できる講座なども増えています。積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
また、もうひとつこのタイプの人に欠かせないのが、ストレスをため込まないための工夫です。仕事にしても怒りや不平不満にしても、次から次へとため込んでしまうから、やがて手に負えないほどにふくらんでパンクしてしまうわけです。
だから、こうしたストレスはため込むことなく、小まめに解消していくべきなのです。そして、「自分はこれを行えばもやもやした気分が晴れる」というストレス解消法を、ひとつかふたつは持つようにしておきましょう。
どんな解消法を選ぶかは自分の好みで構いません。カラオケで熱唱して発散するのもいいし、スポーツで汗をかいてうつうつとした気分をスッキリさせるのもいいでしょう。
また、このタイプの人には、認知療法によって考え方のクセを変えていくのも有効です。

認知療法は、自分の思考パターンの歪みに気づき、そのクセを修正していくことで、自分の考え方や行動がよい結果につながるように変えていくメソッド。じつは、このメソッドはうつ病治療にもよく用いられていて、後悔や自己否定を重ねてうつ病になっていきやすいこのタイプにはたいへん有効なのです。
すなわち、「ストレスや怒りを抱え込みがちな考え方のクセ」や「自罰的で自己否定をしがちな考え方のクセ」などを修正して、余計なストレスをため込まないように考え方や行動をシフトチェンジしていくのです。

● 怒りの発散法は?
このタイプの人は、そもそも怒りを表に出せないため、発散する行為自体が難しいかもしれません。しかし、何も手を打たなければストレスはたまり続けます。すると、ある朝突然、動けなくなるなど、体の不調に見舞われ、いずれは休職や離職に追い込まれてしまうことも。体に不調をきたす前に悩みやグチを話せる人がいれば話す、あるいは医療機関を頼ることも選択すべきです。
このタイプの人は日頃からストレスをためないよう、とにかくしっかり休養し、きちんと睡眠をとることが重要です。また、うつ傾向が強いため、好きなものを食べて血糖値を上げることも対症療法として有効でしょう。

声に出して主張できないこのタイプの人におすすめの発散法は、大きな声を出すこと。ひとりカラオケやスポーツ観戦などの大声を出せる環境で自然と声を出せば、発散につながります。
また、ランニングや筋トレなどの適度な運動も、発散とともに心身の健康維持に有効です。
ただし、誰かと一緒にやるようなものはおすすめしません。誰にも気をつかわず、自分のペースでこなせることを、ストレス軽減法として取り入れましょう。

知らない間にたまってしまうのがストレスです。鍼灸治療は未病(未だ病にならざる病気)を治します。

新型コロナ後遺症 現時点で分かっていること

カテゴリー:院長スケジュール2021年09月17日(金)

第五波は自分たちの生活の非常に近い場所まできています。自分の近くには感染者がいないために
「コロナはデマだ」
という人もいます。実際に感染して苦しんでいる患者さんがいます。重症化してなくても自宅療養で苦しい状況の患者さんもたくさんいるのです。そんな中で後遺症に悩まされている患者さんが来院します。そんな患者さんと話をしているときに見つけた記事です。

新型コロナ後遺症 現時点で分かっていること

新型コロナウイルスに感染した後、1ヶ月以上症状が続くことがあり「後遺症」と呼ばれています。

現時点で後遺症について分かっていることについてご紹介します。

新型コロナの「後遺症」とは?
新型コロナに感染した人の中には、数週〜数ヶ月間に渡って様々な症状が続く方がいます。

これらは海外では「LONG COVID」「Post COVID」などと呼ばれていますが、日本国内では「後遺症」と呼ばれることが多いため、ここでも新型コロナ後遺症という表現を使います。

新型コロナ後遺症の定義は国内では定まったものはありませんが、海外では「発症から4週間経っても続く症状」を後遺症と定義しているものもあります。

新型コロナ後遺症の原因は?
新型コロナ後遺症が起こる原因についてはまだ多くが未解明です。

単一の病態ではなく、4つの病態が複合的に絡み合った病態ではないか、と考えられています。

4つの病態とは、

(1) 肺、心臓への恒久的障害

(2) 集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)

(3) ウイルス後疲労症候群(post-viral fatigue syndrome)

(4) 持続する新型コロナの症状

を指し、これらがオーバーラップしていると考えられています。

新型コロナ後遺症にはどんな症状がある?
新型コロナ後遺症でみられる症状(筆者作成)
新型コロナ後遺症の症状には、発熱や咳などのある急性期から続く症状と、経過の途中から出現する症状とがあります。

新型コロナ後遺症としてみられる症状には、

呼吸器症状:咳、痰、息苦しさ、胸の痛み

全身症状:倦怠感、関節痛、筋肉痛、しびれ

精神・神経症状:記憶障害、集中力低下、不眠、頭痛、抑うつ

消化器症状:下痢、腹痛

脱毛

動悸

味覚障害・嗅覚障害

などがあります。

その他、発症から6ヶ月後まで脳梗塞、脳出血のリスクが高くなるとも言われています。

新型コロナ後遺症の頻度は?
診断後から退院時まで、3ヶ月後、6ヶ月後にみられた症状の頻度(厚生労働科学研究. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究より)
新型コロナ後遺症の頻度は報告によってはばらつきがありますが、日本からの報告としては、慶応大学での調査があります。

この報告では、診断〜退院時、診断後3ヶ月、6ヶ月経過した時点での症状の頻度の調査をしています。

報告によると、診断から3ヶ月経過した後も1割以上の人にみられた症状は、疲労感・倦怠感、息苦しさ、脱毛、嗅覚障害、筋力低下、睡眠障害、思考力・集中力の低下でした。このうち疲労感・倦怠感、息苦しさ、脱毛、睡眠障害、思考力・集中力の低下は6ヶ月後も1割以上の人に残っていました。

大阪府新型コロナ受診相談センターに相談のあった後遺症の症状の頻度と重症度(第58回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議 大阪府新型コロナウイルス感染症 後遺症への対応について)
大阪府は、新型コロナ後遺症の相談窓口を設置し、医療機関の紹介などを行う取り組みが開始されていますが、この大阪府新型コロナ受診相談センターに相談のあった後遺症の症状として頻度が高かったのは、倦怠感、嗅覚障害、味覚障害、脱毛、呼吸苦、微熱・発熱、うつ・気分の落ち込み、咳、頭痛、不眠、集中力・記憶力低下、体の痛み、動悸、めまいでした。

新型コロナ後遺症の持続期間は?
前述の日本での調査のように、基本的に新型コロナ後遺症の症状は、時間とともに消失していくと考えられています。

世界で最初に新型コロナの流行が起こった中国の武漢市で、新型コロナ感染者の1年後の症状の調査が行われました。

少なくとも1つの後遺症の症状がある人の割合は、6ヵ月後の68%から12ヵ月後の49%に減少していました。

一方で、呼吸困難や不安・抑うつといった症状は6ヶ月後よりも12ヶ月後の方がわずかに増加しており、症状によっては長期に続くものもあるようです。

後遺症の症状は、急性期に重症度が高かった人ほど長期に続くようです。

新型コロナ後遺症はどんな人にみられやすい?
イギリスの携帯アプリを用いた新型コロナ後遺症に関する調査では、新型コロナに感染した4182人のうち558人(13.3%)が28日以上、189人(4.5%)が8週間以上、95人(2.3%)が12週間以上症状が続いていました。

この調査では、後遺症は

・高齢者

・肥満

・女性

・発症時の症状が5つ以上ある

といった人で起こりやすいということが分かりました。

高齢者や肥満は新型コロナの重症化リスクでもありますが、性別については男性の方が重症化しやすい一方で、女性では後遺症がみられやすいということになります。

軽症者での新型コロナ後遺症の頻度は?
新型コロナ後遺症は、軽症だった人でも決して稀ではありません。

ノルウェーから軽症者の後遺症についての研究が出ています。

自宅隔離となった軽症の新型コロナ患者247人と入院患者65人を含む312人の患者の後遺症に関する調査で、発症から6ヵ月経過しても全患者の61%で何らかの症状が持続しており、この後遺症の頻度は、重症度とは関係なくみられたとのことです。

16~30歳の若年層の52%が6ヵ月後になんからの症状を呈しており、味覚や嗅覚の喪失(28%)、疲労感(21%)、呼吸困難(13%)、集中力の低下(13%)、記憶障害(11%)などの症状が認められました。

新型コロナと診断されたときに全く無症状であった人でも後遺症がみられることがあるかについては、まだ十分に分かっていません。

大規模な観察研究の結果を見ると、診断時に無症状であった人でも倦怠感などの後遺症の症状がみられることがあるようです。

小児での新型コロナ後遺症は?
小児でも新型コロナ後遺症が起こることはありますが、その頻度は大人と比べると低く、持続期間も短いと考えられています。

イギリスの携帯アプリを用いて1734人の小児の症状の持続期間を調査した研究では、発症から28日後に症状が持続していたのはわずか4%、56日後では2%でした。

28日時点で最も多かった症状は、頭痛、疲労感、嗅覚障害で、長期化した症例の多くは年長児に見られました。

変異株が後遺症に与える影響は?
これまでに様々な新型コロナウイルスの変異株が出現しています。

日本国内でも、第4波でアルファ株が、第5波ではデルタ株が主流に置き換わっています。

従来の新型コロナウイルスに感染した場合と、変異株に感染した場合とでは、後遺症の頻度や持続期間が異なるのかについては、まだ分かっていません。

新型コロナ後遺症を予防するためには?
新型コロナワクチン接種が開始されてからの後遺症についても調査が行われています。

新型コロナワクチンを2回接種した人では、発症から28日時点でも症状が続いている人の割合が減少していた、と海外から報告されています。

新型コロナワクチンを接種しても感染してしまうことはありますが、後遺症が起こるリスクを下げることができます。

また、新型コロナ後遺症を確実に回避するには、新型コロナに感染しないようにするしかありません。

特に緊急事態宣言中である現在は、

・できる限り外出を控える

・屋内ではマスクを装着する

・3密を避ける

・こまめに手洗いをする

といった基本的な感染対策をより一層遵守するようにしましょう

鍼灸治療はコロナの後遺症にも効果があるようです

「汗がくさい…」「人より汗かき?」”汗”にまつわる疑問

カテゴリー:院長スケジュール2021年09月09日(木)

急に暑くなったり、肌寒いぐらいになったりと気温の変化が激しいことで体調を崩した患者さんとの会話で見つけた記事です。

「汗がくさい…」「人より汗かき?」”汗”にまつわる疑問を医師が解説 保険適用の治療も

汗の悩みはデリケートかつ十人十色。「人より汗が多くない?」「汗くさくない?」「私は多汗症?」など、人には聞けない疑問を、汗治療のエキスパートに聞きました。

◆1.人間が暑い夏に行動できるのは汗のおかげ

哺乳類の体には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺(汗の分泌器官)がある。人間以外の動物は汗腺の体温調節機能が充分に発達していないため、暑い日には長時間活動することさえ難しい。
一方、人間は進化して大きくなった脳を冷却するために、体温調節を司るエクリン汗腺を発達させてきた。

「エクリン汗腺は脳の視床下部から送られる発汗指令を受けて汗を出し、その汗が蒸発することで人は体温を下げています。気温差に順応するために、汗をかくことは必要不可欠です」
また、アポクリン汗腺はわきなど限られた部位にある。数や大きさは性別や人種によって差があり、フェロモンを出す器官の名残りといわれる。ワキガなどの原因になることも。

体の部位や人によって汗の量が違うのは活発な汗腺の割合が異なるから
「エクリン汗腺の数に個人差はほとんどありません。すべての汗腺が常に活動しているわけではなく、働いている数は人それぞれ。活発なエクリン汗腺の割合が多い人ほど、たくさんの汗をかきます」。
また、エクリン汗腺はほぼ全身に存在するが、部位によって密度が異なる。そのため、特に密度が高い手のひらや足の裏、頭や額、わきは汗の量が多くなる。

◆2.汗は原因によって3つのタイプに分けられる

・味覚性発汗
辛いものを食べるとかく汗は「味覚性発汗」と呼ばれる。人によっては酸っぱいものや硬いものを食べて発汗することも。味覚神経が発汗に関わる自律神経に誤連絡して起こる。

・精神性発汗
緊張やストレスを感じたときにかく汗。もともとは獲物を狙ったり襲われたりした際にかき、滑り止めの働きをしたといわれている。主に手のひらや足の裏から一時的に発汗する。

・温熱性発汗
気温が高いときや運動をしたときに体温を調節するためにかく汗は、「温熱性発汗」と呼ばれる。体温がある程度下がるまで、全身から持続的に発汗するのが特徴。

◆3.汗の成分はほとんどが水
汗の成分の約99%は水分。また、汗は血液から作られるため、ごく少量の塩分や鉄分、乳酸なども含まれる。

「汗の中には、微量ですが抗菌作用のあるタンパク質や保湿成分も含まれていて、“天然のバリア”として皮膚表面の雑菌の増殖を抑えてくれています」。

◆4.サラサラ汗とベタベタ汗の違いは成分濃度
汗とともに塩分や栄養分も排出される。その際、体に必要な成分まで排出されてしまうのを防ぐため、汗が出ていく直前に成分を血液に再吸収する働きが起こる。

「成分の大部分が再吸収された汗はサラサラですが、汗の量が多すぎて再吸収が間に合わないと、塩分濃度の濃い汗が出ます。これがベタベタした汗の正体です」

◆5.汗くささの原因は汗自体ではない
体温調節のために出た汗は無臭だが、皮脂やアカ、皮膚常在菌と混ざり合って細菌(におい菌)が増殖することでにおいが発生する。足の裏が特ににおうのは、靴の中で皮膚が蒸れ、におい菌の繁殖が促進されるため。
「にんにくを食べると汗がにんにくくさくなる、というのも本当です。汗のもとである血液に食べたものの成分が含まれるため、食べもののにおいも汗に影響します」

◆6.汗をすぐに止めたいときは、濡れタオルで拭くのが効果的
「水で濡らしたタオルで拭くと皮膚の表面温度が下がるうえ、乾いたタオルで拭くより皮脂や雑菌をからめとる力が強いので、においも防止できます。
におい菌は時間が経つほど繁殖するので、すぐに拭くことが大切です」その後、うちわなどで風を当てれば、気化冷却効果で体温が下がり、より早く汗が止まる。

◆7.汗が出ない人は要注意だがかきすぎも危険
運動不足やクーラーの使いすぎで汗をかく機能が低下すると、体温調節がうまくできずに体に熱がこもり、熱中症につながる恐れが。一方、過度のサウナなどで汗をかきすぎるのもよくない。
「汗腺が弱ってしまい、充分に機能しなくなることも。自然に蒸発する程度に、うっすらと汗をかくくらいが、“よい汗のかき方”です」

◆8.年齢によって汗をかく部位や量が変わる
「思春期になると汗腺が発育して特にわきや頭・額の汗が増え、高齢になると汗腺が衰えて汗の全体量が減る傾向があります。また、女性は産後や更年期に女性ホルモンが減少し、特に上半身の汗が増える人が多くいます」

◆9.多汗症かどうかを決めるのは自分自身
『多汗症』に明確な基準はなく、判断するのは自分だという。
「スマートフォンの指紋認証が汗で反応しなかったり、常時汗が滴(したた)って何もできないなど日常生活に支障がある場合は、保険適用で治療できる可能性があります」。

◆10.汗の悩みは皮膚科の受診で解消する場合も
「日本人の約10%が多汗に悩んでいるともいわれています。最近は皮膚科でのさまざまな治療法がありますから、“汗くらいで”と考えず、悩んだら受診を」。

汗のかき方一つでその後の体調にも影響があります。上手な汗のかき方で健康維持ですね。
鍼灸治療は自律神経の調整を得意とします。汗のかき方も上手になってくるということです。

しんきゅう通信9月号

カテゴリー:院長スケジュール2021年09月01日(水)

しんきゅう通信 9月号 2021

しんきゅう通信9月号です。

今年も残り4ケ月 はやい…

※9月30日(木)~10月6日(水)までTKビルエレベーター入れ替えのためお休みさせていただきます。ご迷惑をおかけします。

ワクチン副反応対策で注目 「鎮痛剤」の基本知識を薬剤師が解説

カテゴリー:院長スケジュール2021年08月26日(木)

コロナワクチンは噂やデマなどたくさんの話が飛び交っているので不安に思っている患者さんも多くいます。そんな患者さんと話をしたときに見つけた記事です。

ワクチン副反応対策で注目 「鎮痛剤」の基本知識を薬剤師が解説

パッケージだけではわからない? 「鎮痛剤」選びの“心構え”とは
新型コロナワクチンの接種が進むとともに、副反応への対策として市販の痛み止め薬を買う人が増え、店頭では品薄状態になっているとも伝えられている。
特に入手が難しくなっているといわれるのが、アセトアミノフェンという成分の鎮痛薬(商品名:「タイレノールA」など)だ。しかし、厚労省はアセトアミノフェンだけでなく、イブプロフェン(商品名:「イブ」、「リングルアイビー」、「ナロンメディカル」など)、ロキソプロフェン(商品名:「ロキソニンS」など)といった成分の鎮痛薬も副反応に使用してよいとしている。そうとなれば、入手しやすさはぐんと上がるだろう。
選択肢が多いことは、店頭での品切れ、パニックといった状態をなくすには良いことだが、一方で「何を選べばいいのか」「どう違うのか」と迷う方もいるかもしれない。

先日は元SMAPメンバーでタレントの中居正広(49)が、副反応対策のため鎮痛剤をドラッグストアで探し、パッケージに「生理痛」と書いてあるのを見て“自分が飲んでよい薬なのか”を薬剤師に確認したとラジオで発言して話題となった。そもそも鎮痛剤とはどういう薬なのか。『その病気、市販薬で治せます』から、鎮痛剤について一般消費者が知っておいて損はない基礎的な解説を以下、引用して紹介しよう。

なお、市販薬は同じブランドのシリーズでも商品によって成分が異なることがあるため、購入の際には必ずパッケージに表示された成分を確認することをお勧めする。店頭の薬剤師に相談する際には、ワクチンの副反応対策という用途とあわせて、希望があれば商品名よりも成分名を告げたほうが確実だ。薬選びは「商品名」でなく「成分名」が大事
体調不良で向かったドラッグストアの薬売場で、愕然(がくぜん)とした経験はありませんか。何なんだ、この種類の多さは……、と。
ドラッグストアの薬売場では、そのあまりの種類の多さに立ちすくみ、パッケージを見比べながらウンウン唸っているお客さんをよく見かけます。市販薬はとにかく種類が豊富です。似たような効果の薬だけでも数十種類あり、薬選びに困るのは当然です。
たとえば解熱鎮痛剤と呼ばれる痛み止めの商品は、厚労省から製造承認が下りているもので現在400種類以上はあります。正直にいえば、ドラッグストアの薬剤師でさえ「聞いたこともないような薬」がごまんとあるのです。

では、薬剤師はどのように薬を見比べ、評価しているのか。着目するのはもちろん「成分」です。お客さんから聞かれた際にも、薬の成分を知っていればその特徴をある程度答えることができます。それに、実は市販薬の成分には、ジャンルごとにいくつかの“パターン”があるのです。そのパターンを知っていれば、薬の特徴は一目瞭然です。

違いがなさそうで、意外とあるのが市販薬。個々の薬の知識を通じて、市販薬選びの“心構え”を提案していきたいと思います。
市販の痛み止めには、おさえておきたい四つの成分があります。伝統派の【アセチルサリチル酸(アスピリン)】、新興勢力の【イブプロフェン】と【ロキソプロフェン】、穏健派の【アセトアミノフェン】です。他にもあるのですが、これらの成分が鎮痛薬市場の四大勢力といっていいでしょう。この四つを知ることで、初めて「痛み止め」という広大な地図の全体像が見渡せます。ひとつずつ見ていきましょう。

バファリンとイブ、どう違う? 花粉症薬、何が一番いい? じつは処方薬と同じ薬? 定番の常備薬から、水虫薬、痔の薬、発毛剤、精力剤など人には言いにくい薬まで、最新の成分と実際の効能を薬剤師が徹底解説

アセチルサリチル酸は1897年にドイツで開発された、昔ながらの痛み止めの代名詞です。ヤナギの木の抽出物を分解したサリチル酸を元に作られた成分で、高い鎮痛作用が評価され、世界中で使われるようになりました。今でも日本の病院で使われている薬ですが、現代においては痛み止めというよりも、血栓をできにくくする薬(抗血小板薬)として認知されています。代表的な市販薬には「バファリンA」がありますが、アセチルサリチル酸だけを鎮痛成分として配合した薬は今やかなり少数で、同じバファリンシリーズでも「バファリンプレミアム」はアセトアミノフェンとイブプロフェンの配合薬でアセチルサリチル酸は使われていませんし、「バファリンEX」はロキソプロフェンが成分です。

(記事注:アセチルサリチル酸(アスピリン)は、厚労省がワクチンの副反応に使えるとした「非ステロイド性抗炎症薬」に属します。米国疾病予防管理センターのサイトでは、医師に相談した上で副反応に使える成分として、イブプロフェン、アセトアミノフェンとともに紹介されています)

これに対して商品数が多いのは、新興勢力の【イブプロフェン】という成分です。イブプロフェンはアセチルサリチル酸(アスピリン)の弱点を克服するために作られた薬です。その経緯を簡単に紹介します。

イブプロフェンは、イギリスのブーツ社で作られました。発見したのはスチュワート・アダムスさんという薬剤師で、同社の研究部門に身を置いていました。

その頃の彼の仕事は、副作用が少なく効き目の高い関節リウマチの薬を作ることでした。当時はアスピリンが鎮痛薬として有名でしたが、大量に摂取すると重篤な副作用が生じることがあったため、イギリスでは1950年代には人気を失っていたのです。

そのためアダムスさんは、アスピリンに代わる、副作用の少ない鎮痛薬を作るための研究を重ねました。10年越しの研究の末、開発された成分は【イブプロフェン】と名付けられ、1961年に特許を申請、その8年後に病院用の処方薬として発売されます。市販薬としてドラッグストアで売られるようになったのは1983年のことで、アメリカでも翌年から市販化されました。アダムスさんは2019年1月に95歳で亡くなりましたが、その物語はBBCのニュースにもなり、世界を変えた鎮痛剤の発見が称えられました。なお、これほどの快挙を成し遂げたアダムスさんではありますが、生前に会社から支払われた特許料は1円もなく、「この薬で損をしたのはたぶん自分だけだろう」と冗談のように語っていたそうです。

イブプロフェンは日本では頭痛・生理痛薬の成分として、「イブ」シリーズをはじめ多くの商品に使われています。イブプロフェンを配合した鎮痛薬には「アダムA錠」という商品もありますが、これが開発者アダムスさんからとられた名前なのか、それとも先行商品「イブ」から“アダムとイブ”の連想でつけられた名前なのかはメーカーに問い合わせても分かりませんでした。

もう一つの新興勢力は【ロキソプロフェン】。「ロキソニンS」等の成分です。これもまた、胃への副作用が少ない痛み止めとして開発されました。

ロキソニンは“内弁慶”な薬です。開発したのが日本の製薬企業ということもあり、日本国内では幅を利かせた存在ですが、国外に出ると存在感はほぼありません。2018年時点で中国やベトナム、タイなど海外27カ国の市場に出ていますが、先述の【イブプロフェン】の代表的な製品である「ブルフェン」が米国・英国をはじめ90カ国以上で承認されているのと比べると、その販路は非常に限定的です。私自身、海外のドラッグストアで「ロキソニンを下さい」と聞いても、「それは何の薬ですか?」と首をかしげられた経験が何度もあります。

世界保健機関(WHO)が効果や経済性などを総合的に評価した必須医薬品モデルリスト「WHO model list of essential medicines」の2019年版にも、アスピリンもイブプロフェンもアセトアミノフェンも入っていますが、ロキソプロフェンはありません。だから薬として劣っているというわけではありませんが、海外では入手困難なので、鎮痛薬を購入したい場合はイブプロフェンなどで代替する必要があるでしょう。

さて、最後の派閥である【アセトアミノフェン】は、誕生は1800年代と古い成分ですが、痛み止めとして世界的に使用されたのは1949年以降とされています。アセトアミノフェンは穏健派の薬です。今まで見てきた三つの薬と違い、胃への負担の心配がなく、何より胎児や小さな子供への影響が少ないことから、妊婦さんやお子さんにも使いやすいという特徴があります。医療用の薬はカロナールといい、代表的な市販薬には「タイレノールA」があります。

アセトアミノフェンの欠点は、炎症を抑える効果が弱いことです。他の3つの痛み止めが炎症と痛みを両方取り除く効果のある成分であるのに対して、アセトアミノフェンには炎症を抑える作用はほとんどないと考えられています。そのため市販薬においては、関節痛や歯の痛みなどの炎症を伴う痛みには、別の薬を選ぶ方が好ましいとされています。また、効果もマイルドです。アセトアミノフェンはある程度の量を飲むと高い鎮痛効果を得られることが分かっていますが、日本の市販薬に配合されるアセトアミノフェンの量は抑えられているので、医療従事者からすると「え? これしか入ってないの?」と思うことでしょう。他の痛み止めと比べると、効果で見劣りするかもしれません。

いかがでしょうか。どれも同じように見えて、実は成分ごとの違いはさまざまです。そして、多くの市販の鎮痛薬は、四大成分のいくつかが併せて配合されていたり、さらに別の成分が追加されていたりして、とても複雑です(複数の成分を掛け合わせることで効果が増強されると考えられているためです)。なかなか簡単な比較はできないからこそ、断片的な情報で自己判断するより、薬剤師・医薬品登録販売者に「これとこれは何が違うの?」と個別に聞くことをお勧めします。

皆さんがかかりつけの病院、クリニックがあるようにいつでも相談できるドラッグストア、調剤薬局は重要です。
当院のグループにもたくさんの調剤薬局があります。
みなさん とても親切なのでいつでも紹介させていただきます。

【秒速薬膳でアッという間に健康に】

カテゴリー:院長スケジュール2021年08月16日(月)

暑い日が続く、雨が降ったら大雨、なんて激しい気象の変化に身体はバテバテです。だからかお腹の調子が悪いという患者さんが増えています。そんな時に見つけた記事です。

慢性的な下痢にはナガイモ・もち米・豆で「脾」を強化する【秒速薬膳でアッという間に健康に】

赤飯とろろ茶漬け(提供写真)

大事な商談中だというのにお腹の調子が悪くて気もそぞろ。通勤電車の中で遅刻ギリギリなのにトイレに行かないと耐えきれない! 肝心なときに襲ってくる下痢。薬膳の力でお腹のピンチを乗り越えましょう。

下痢はタイプによって対策が異なります。まずは「突発性の激しい下痢」。冷たいもの、生ものの食べ過ぎや、冷房の効き過ぎた部屋に長時間いた、あるいはなんらかの食あたりが原因となるケースです。この場合、お腹の冷えを解消するとともに、殺菌作用のある食材を取り入れることが改善のポイントです。

おすすめは青じそ。高い殺菌と解毒作用があるとともにお腹を温めてくれるという、まさに「下痢ストッパー」食材。特に魚介類による食あたりの予防、吐き気や下痢の改善に優れています。また、ショウガやネギも冷たいものを取り過ぎたときの下痢に効果的。梅干しも整腸作用があり、腸の働きを回復させて下痢を止め、強い抗菌作用で食あたりに効果を発揮します。

フルーツでは、りんごが腸の働きを整え、改善に役立ちます。飲みものはほうじ茶がおすすめです。

一方、日頃から下痢や軟便に悩まされている「慢性的な下痢」の場合は、消化をつかさどる臓器「脾」の働きが弱いことが原因。もともと疲れやすくて体力がなく、胃痛、食欲不振といったトラブルがある人に多く見られます。こちらは、脾を力づけて、消化・吸収を高める食材を取り入れることが大切です。

脾のパワーアップにはイモ類が役立ちますが、特におすすめなのがナガイモ。滋養強壮にパワフルな効果を発揮し、脾を丈夫にして吸収力を高め、慢性的な下痢を改善します。

もち米も「お腹弱い系」の強い味方。脾の働きを強めるとともに、お腹を温めて消化吸収力をアップし、軟便を解消します。また、体内から液体が漏れ出すのを防ぐ「固摂作用」が高いため、下痢止め防止効果がバツグン。

そのほか、豆類やハトムギも改善に役立ちます。

■慢性的な下痢改善薬膳レシピ

赤飯とろろ茶漬け

脾の働きを強めて下痢の改善に役立つナガイモと、もち米と豆を使った赤飯を組み合わせたレシピ。市販の赤飯おにぎりを使えば手軽に完成。やさしい甘味のもち米ととろろ入りの出汁の相性はばっちり。しみじみ癒やされる味わいです。

【材料】2人分
●赤飯おにぎり (市販)  2個
●ナガイモ  10センチ
●刻みネギ  適量
●出汁 湯2カップ、めんつゆ大さじ8

【作り方】茶わんに赤飯おにぎりを入れて出汁を注ぎ、皮をむいてすりおろしたとろろをのせて、刻みネギをちらす。おにぎりを崩して全体を混ぜて食べる。

和風ホットりんごジュース(提供写真)

■突発性下痢改善薬膳レシピ

和風ホットりんごジュース

【材料】2人分
●りんごジュース  2カップ
●青じそ  6枚
●ショウガのすりおろし  大さじ1
●黒砂糖  適量

【作り方】りんごジュースをレンジで30秒加熱し、ショウガのすりおろし、黒砂糖を加えて混ぜ合わせ、青じそをのせる。

医食同源です。漢方薬も食事の延長です。成分をよく見ると食卓にあるものが多いです。鍼灸治療と合わせると効果大です。

しんきゅう通信8月号

カテゴリー:院長スケジュール2021年08月02日(月)

しんきゅう通信 8月号 2021

しんきゅう通信8月号です。

夏休みなのに緊急事態宣言ですね~

なかなかゆっくりできないものです

陰陽のバランスで夏を元気に!

カテゴリー:院長スケジュール2021年07月29日(木)

鍼灸で何で体が楽になるの?
昔からそうなの?みたいな素朴な質問をされたときに見つけて記事です。

私を支える、身近な「中医学」の魅力。陰陽のバランスで夏を元気に!

「中医学」という2000年以上の歴史を持つ中国の伝統医学。
病気になる前に「養生」することを大切にしている考え方で、その時期に心がけると良い生活習慣や食物など、暮らしの中で気軽に心がけることのできる知識も多く、体だけではなく心まで含めて整えます。

心身共に不安の多い今の時代に嬉しい知識なんです。

これから始まる夏の時期に心がけたいことって?
◆日本人には馴染み深い点も多い「中医学」
「バランスの医学」とも呼ばれ、自然との調和を大切にしている中医学。

歴史があり簡単に語りつくせないほど奥深い一方で、日本人にも馴染み深く取り入れやすい点が多いところに惹かれます。
「立春」「夏至」「秋分」などを起点に1年の季節を24個に分ける「二十四節気」をもとに、例えば夏は「心(しん=心臓)」や「小腸」をケアしたあげた方が良い、苦い食べ物を摂ると体を助けてくれるなど、その季節に適した様々な心がけを伝えてくれています。

その際に大切なのが「陰」と「陽」のバランス。
世の中に存在する全ては陰と陽の二つの要素から成り立ち、互いに支え合い対立しながら影響し合っている。外の世界にも人間の体の内側にも陰と陽があり、どちらも大切なもので、そのバランスがが崩れると病気になると考えるそうです。
◆夏の時期に気をつけるべきことは?
夏に体調を崩しやすい要因となるのは「暑」「熱」「湿」という3つの「邪」。
冬の「陰」の気が減少し、「陽」の気が最も盛んになる「陽気最盛」の季節と言われており、「陽」の気が上に集まってくるため偏頭痛や上半身のだるさ、また血の巡りのトラブルから来る貧血や、不眠などの症状が出やすいのだとか…
簡単に言うと「体も心もぐったりしてしまう」ということで、私たちが毎年実感していることは、中医学でも昔から気をつけるように伝えられていることなのだと感じました。

「新陳代謝が活発な時期であり、とにかく外に出し切ることを意識すると良い季節です。適度な運動で汗をかくと毛穴のストレッチとなり放散できますし、また気持ちも言いたいことも我慢しない方が良いとされています。朝は早く起き、適度に日に当たり「陽」の気をとりこみ、気持ちを外へ向け焦ったり怒ったりしないことも大切。食べ物は、色で言うと赤いもの、そして苦みのあるものが夏の時期の体を助けてくれると言われています。」(※「あくまで夏に関する一般的な知識で、季節や体質に応じた食材選びが体を養生します。」)

◆夏の過ごし方で秋冬の体調が左右される
「『冬病夏治(とうびょうかじ)』という「冬の不調は夏に出し切るべし」という意味の言葉もあるほどで、夏の我慢は秋冬まで影響し体調を崩す原因となってしまうため、意識してご自身を労わっていただきたい季節です。
また、熱さが厳しいところから急に涼しい秋になる時が自然界も人間も一番負担がかかるとされており、その時期に備えて中国では夏に『三伏養生』という特別な養生をする習慣もあるくらいです。」
「毎年夏の終わりに体調を崩す」と話す方が多く、「こんな昔から特別気を付けるように言われている時期なのだから、普通に過ごしていたら不調が出て当たり前だね。そう考えるとなんだかほっとするね~」などと盛り上がりました。

日々の中に取り入れやすい知恵
◆体質によって、それぞれのタイプ診断も
季節ごとに気をつけた方が良いことに加え、中医学ではその人の体質によって、性格の傾向や気をつけた方がよい臓器や不調などもわかるとされているそうです。

また食べ物に関して中医学でも「自分が生まれた土地のものや旬のものは心身を健やかに保ってくれる」ということを大切に考えます。「地産地消」は日本人としても馴染み深く、これまで以上に意識するします。

「外の世界も夏と冬でこれだけ気候が違うのだから、体の内側や心も常に同じであるはずがありません。常に変化していいし、この間はできたのに今日はできないとか、いつもと同じなのに落ち着かないということがあっても良い。そういう不安定な落ち着かない気持ちもそのまま感じてみる、良い悪いで判断しないということが大切だと思います。」

◆心が落ち着く、ほっとできる学問
「自分が満たされていないと周りにも優しくできないから、まずご自身を大切にしてほしい」
まず、誰にでもすぐに取り入れられる身近な考えであるところに惹かれます。それでいて本当に学べば学ぶほど奥深く、例えば薬や治療といった外側からのアプローチではなく、身体のツボや経絡、心の持ち方や食養生など自分の内側にあるものを引き出してケアをするという考え方によって自分自身と向き合い直す機会にもなっています。それを通じて、家族など周りの人とも改めて向き合うきっかけにもなりました。
日常に追われ病気になってから症状を押さえるのではなく、病気にならないよう日頃から養生を心がけることは、ご自身の体を知り愛することに繋がると思っています。

年を重ねると共に痛感しするのが、自分の心身を健やかに保つことの大切さです。
身体を動かし、そこに意識を向けることで心にも向き合い、両方を整える機会を作れていることはとてもありがたいことだと感じています。

まだまだ不安の多い世の中に加え、年々暑さが厳しくなる夏は体調を崩しやすい季節。お忙しい方ほど、少しでも自分と向き合う時間を作りご自身を大切にすることが、夏を元気に乗り切る一番の秘訣かもしれません。

中医学の紹介でした。私共、専門家でも気づかされる新鮮な目線での内容は勉強になりました。

鍼灸治療の事なら名古屋栄にある順風堂にお任せ下さい。