自律神経を研究し続けた医師がすすめる「心と体が整う7つの習慣」
コロナ禍のストレス、天候のストレスなどなど気が休まる日がありません。身体も心も動きっぱなしです。それに疲れを感じている患者さんとの会話で見つけた記事です。
自律神経を研究し続けた医師がすすめる「心と体が整う7つの習慣」
疲れやストレスがたまりやすい昨今。日々の習慣を見直し、心と体のセルフケアをきちんと行なうことが大事です。
疲れやストレスがたまりやすい昨今。それには、「自律神経の乱れ」が関係しているかもしれません。日々の習慣を見直し、心と体のセルフケアをきちんと行なうことが大事です。
自律神経の乱れは、あらゆる不調の原因
新型コロナウイルスの流行によって、今まで当たり前にできていたことができなくなり、生活が大きく変わって、私たちはよりストレスフルな日々を送ることになりました。
そんな毎日の中で、「体がだるい」「やる気が起きない」「疲れが抜けない」など、「なんとなく不調」を感じている人も多いのではないでしょうか。
もしかしたら、それは「自律神経」が乱れているからかもしれません。 自律神経とは、簡単に説明すると、心臓や腸、胃といった内臓器官のすべて、とりわけ血管をコントロールしている神経です。呼吸も自律神経がコントロールしています。ですから、自律神経が人間の生命活動=ライフラインを支えていると言っても過言ではないのです。
これまで長年にわたり自律神経について研究してきましたが、自律神経のバランスが崩れると免疫力が下がって病気にかかりやすくなり、心と体にさまざまな不調をきたすことがわかりました。
自律神経は、夜更かしや朝寝坊といった不規則な生活はもちろんですが、不安や恐れ、怒りといったネガティブな感情を抱くことでも乱れます。 日々暮らしていれば、私たちは多かれ少なかれストレスを受けます。
このコロナ禍においては、不安や心配がつきないでしょう。問題は、そうしたストレスをためこみ、自律神経のバランスを崩して心身に不調をきたしてしまうこと。そうならないために、日々の過ごし方を少し見直し、自分にやさしい暮らしを心がけてみましょう。
「自律神経」を整えることが健康のカギ!
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2種類に大別されます。 車でたとえると、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキです。交感神経が優位に働いているときは、血管が収縮して血圧が上がり、アグレッシブな状態になります。
逆に副交感神経が優位に働いているときは、血管が弛緩(しかん)して血圧が下がり、リラックスした状態になります。 車を運転するとき、アクセルとブレーキの両方がうまく働いてこそ、安心してスムーズに運転できます。
人間の活動も同じです。もっとも心身の状態がよく、パフォーマンスが高まるのは、交感神経と副交感神経がともに高いレベルで働き、安定して機能しているとき。
交感神経と副交感神経の両方の働きが低い、もしくはどちらか一方だけが優位に働く状態が長く続くと、心身に不調をきたします。
ストレス社会で生きている私たちは、どちらかというと交感神経が優位になりがちです。若い頃は副交感神経の働きが高いため、ストレスを受けて自律神経が乱れたとしてもすぐにリカバリーできるのですが、男性は30歳、女性は40歳を過ぎると副交感神経の働きがガクンと落ち、10年ごとに約15パーセントずつ低下します。
放っておくと自律神経のバランスが乱れたままになってしまうので、自分で意識して整えることが必要なのです。
自律神経セルフチェック!
まずは、自分の今の自律神経の状態を確認してみましょう。当てはまるものにチェックを入れてください。
□疲れやすい
□やる気が出ない
□風邪をひきやすい
□むくみやすい
□頭痛がある
□すぐに気が散る、集中できない
□ちょっとしたことでイライラしやすい
□腰痛がある
□冷え性だ
□肩がこりやすい
□寝ても疲れがとれない
□肌や髪が乾燥している
□不安を感じることが多い
□思考力・決断力の衰えを感じる
□緊張しやすく、ストレスを受けやすい
□便秘気味、または下痢の症状がある
1つでも当てはまれば、自律神経が乱れている可能性があります。また、当てはまる数が多いほど自律神経の乱れが大きいと考えられます。
「自律神経」が整うおすすめの7つの習慣
生活の中にうまく取り入れ、自律神経の乱れをリカバリーしましょう。
●食事の前に1杯の水を飲む
食事中は交感神経の働きが高まるのですが、食事の前にコップ1杯の水を飲むと胃腸の神経が刺激されて副交感神経の働きが高まり、自律神経のバランスが整います。
特に副交感神経が優位な状態から交感神経が優位な状態へと切り替わる朝の時間帯、朝食前に飲むと、副交感神経の働きが急激に下がる=イライラするのを防げ、気持ちよく1日をスタートできます。朝起きたら軽くうがいをし、常温の水を飲むようにしましょう。
●「1:2の呼吸法」を取り入れる
副交感神経の働きを高めるのにおすすめなのが、「1」の割合で吸って、「2」の割合で吐く呼吸法です。鼻から3~4秒かけて息を吸い、口をすぼめて6~8秒かけて長くゆっくり口から息を吐きます。
1日1回、3分をめどに行ないましょう。緊張したりイライラしたりしたときに取り入れると、心がスッと落ち着きます。
●空を見上げる
心配なことがあったり、気持ちが落ち込んだりしたときは、空を見上げてみましょう。上を向くと気道がまっすぐになり、体内に入る酸素量が増えて血管が広がり、全身に酸素がいきわたります。
頭がすっきりして気持ちが落ち着き、自律神経のバランスも整います。自然の中でゆったりくつろぎながら空を見上げれば、さらにリフレッシュできるでしょう。
●1日1カ所片づける
片づけには、副交感神経の働きを高め、気持ちを落ち着ける作用があります。リビングのテーブルの上でも、本棚でもどこでもいいので、どこか1カ所片づけることを習慣にしてみましょう。
ただし、片づけがストレスになってはいけないので、決してがんばりすぎないこと。長くても30分以内にしましょう。「ちょこっと片づけ」を続けると、部屋も心も自然と整います。
●ゆっくり動く
やるべきことに追われ焦って行動すると、交感神経の働きが急激に高まり、自律神経が乱れます。
イライラしているときや、焦っているときほど、ゆっくり食べる、ゆっくり歩く、ゆっくり話すなど、「ゆっくり行動する」ことを心がけてみましょう。そうすることで、呼吸が深く安定して副交感神経の働きが高まり、冷静な行動、判断ができるようになります。
●ストレッチをして体をほぐす
座り仕事などで同じ姿勢で長時間過ごしていると、筋肉が収縮した状態が続いて血流が悪くなり、免疫力が下がってしまいます。
同じ姿勢の状態が1時間続いたら、首や腰を回したり、背中を伸ばしたりして軽いストレッチを行ないましょう。すきま時間に気分転換を兼ねて行なえば、上がりっぱなしになりやすい交感神経の働きを落ち着かせることができます。
●3行日記を書く
1日の終わりに、自分が今日感じたことを3行程度の短い日記に記しましょう。自分の中にためこんでいたストレスが吐き出されて心の中が整理でき、自律神経が整います。おすすめの「3行日記」の書き方をご紹介します。
(1)今日、一番失敗したことを書く
(2)今日、一番感動・感謝したことを書く
(3)ストレスの解消法、または明日の目標を書く
(3)を書き終えたら、最後に「いろいろあるけど、今日もありがとう」と、感謝の言葉で締めくくるのがポイントです。
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毎日、よく笑っていますか? 「笑顔でいると病気が治る」などと言われますが、笑顔でいると副交感神経の働きが高まり、リンパ球が活性化して、免疫力が上がることが実験で証明されています。
私も実際に、人がいろいろな表情をしたときの自律神経の状態を計測、比較する実験を行なったのですが、心からの笑顔はもちろん、作り笑いでも副交感神経の働きが高まることがわかりました。
ネガティブな感情に引きずられやすいときこそ、意識して笑うことが大事です。それだけで緊張が解け、副交感神経の働きが高まります。副交感神経の働きが高まれば、リラックスして心に余裕が生まれ、前向きな発想もできるようになります。ぜひ、大変なときほど鏡の前で、にっこり自分に笑いかけてみてください。